牛尾農場で栽培している太いネギは、もともと兵庫県の中央部、朝来郡で江戸時代から栽培されてきたネギで生野銀山の鉱夫たちの過酷な労働に栄養を補うために栽培されてきたという、いわれつきの太ネギです。10数年以上前、百姓をしている先輩からこのネギの種子を一握り譲ってもらい、今も自家採種を続けています。
このネギの特徴は、下仁多ネギほど太くはないけれどそこそこ太くそしてなんといってもとにかく柔らかい。柔らかく傷みやすいので、市場ルートでは敬遠されています。しかし、柔らかさプラス有機栽培による甘みが加わり鍋料理の王様という気がしてくるネギです。
ネギ栽培は、3月に播種、盛夏に定植、そして12月から3がつに収穫と長い間時間と手間をかけて成長します。とりわけ夏場の除草、盛夏の定植はかなりの重労働です。そのため、定植は家族全員でやっていましたが、数年の間、牛尾家の長女のマチコが夏休みにおおかたを根気よく、正確に定植してくれていました。
もう10年以上選抜自家採種を続けてきて、この間隣近所の太ネギや九条ネギと自然交配してきたので原種ネギとはだいぶ違ってきています。しかし、独特のやわらかさはしっかりと受け継いでいます。
この辺でもう命名してもいいだろうと盛夏に定植や除草をよく手伝ってくれた色白の長女の名をとって「マチコネギ」と命名しました。