サトイモの茎は、水分の固まりで日照りに弱い作物です。そのため、牛尾農場では毎年水路から畝間へ容易に水を流し込めるような場所を選んで栽培しています。
牛尾農場のサトイモは、我が村で昔から栽培してきた在来種で味の方は、まあまあという感じで、特別美味しくもなく、可もなく不可もなくというサトイモで、収量も多いとはいえませんが、今まで数十年と作り続けてきたのは残り少ない在来種で消えゆくのが寂しく、愛おしい品種だからです。
〝唐のイモ〟も牛尾農場で気に入って栽培しているサトイモの品種です。小イモも親イモもズイキも美味しいのはこの唐のイモだけです。
このイモは、20年以上も前に、隣村で明けても暮れても野良仕事に励んでいたおばあさんに親イモをいただきました。それまで親イモはまずくて、とてもじゃないが食べられないと思っていましたが、もらった親イモの美味しさに魅了され作り続けてきました。
大きいものになると、1個が1kgにもなり、小イモも結構多いです。この小イモが大きく育ったのが海老イモと呼ばれています。ズイキは、煮付けとか酢味噌和えにすれば美味しいです。
〝京イモ〟別名〝竹の子イモ〟は、文字通り竹の子みたいで、有機農業を始めた頃に、松山市出身の青年が、松山ではこのサトイモが一番人気ありますと、手土産にくれたものです。サトイモ特有のねばねば感は少なく粉質のイモで、良い出汁で上手に煮ると、しっとりとした深みのある独特の上品な味で、食べた人はその美味しさに驚きます。しかし、収量は長期間の手間の割には少なく、儲かる作物とはいかないが、他に類をみない美味しさに栽培を続けています。
牛尾農場が自家採種で栽培を続けてきたこれら3種類のサトイモですが、今となっては、牛尾農場自慢の誇りあるサトイモでこれからも長く作り続けていきたいです。