近年、家庭菜園や市民農園ブームで、種苗会社が世界中から個性的なナスをかき集め売っています。
牛尾農場では、栽培しやすく美味しく、消費者に支持されやすい普遍的な品種でないと作り続けることができません。有機農場を始めた頃は、どれを栽培してよいのやらわからず、さまざまな品種を試してきましたが、試行錯誤の末、タイプの異なる気に入った4種を栽培しています。
F1種でタキイ種苗の「築陽」というナスは、栽培容易で多収で見た目も綺麗な長ナスで柔らかくどんな料理にも向いています。
同じく「紫水」という水ナスも作りやすく、浅漬けにすれば手早く食べられるので気に入って毎年少しずつ栽培しています。
そして、牛尾農場おすすめなのが10数年ほど前に知人からもらった「青ナス」です。青ナスにも種類があるが、1個400gを超える特大を栽培しています。
大きい丸のままガスの直火で案外早く焼きあがります。焼きナスで面倒なのが皮むきですが、青ナスは、皮がやや固いので焼きナスにすれば皮が簡単に剥けます。また、青ナスをふんだんに使ったグラタンは絶品です。
この青ナスは、秋が深まっても硬くならず柔らかさを保ってくれるので非常に美味しいです。
もう1種類は、数年前ナスへの固定観念を覆す出来事がありました。
5月に顔見知りの方に「美味しいナスの苗をもらっってきましたので要りませんか」と言われ、詳しく聞くと牛尾農場と同じ市川町で長年自家採種を続けてきたナスでした。
2本譲り受け、植えつけて栽培しました。このナスは、でっかいが皮まで柔らかく厚切りにして、フライパンでステーキ感覚に焼けば最高に美味しいです。
身近にこんなナスが存在したことには驚愕しました。そして、このナスを牛尾農場では、勝手に「市川ナス」と名づけて栽培しています。